2015年3月20日金曜日

国立国会図書館

 弁護士には様々な分野の相談が寄せられ、中には、専門的な知識が関係するものもある。

 建築の瑕疵や医療事故などの相談では、技術的なことがある程度わからないと、何が問題なのかも分からず、そうすると、どのような解決としてふさわしいのかを考えることもできない。



 専門的な内容でなくても、弁護士の仕事では、条文の解釈や判例などをよく調べる必要があるが、専門的な内容の場合は、自分の常識が通用しないこともあり、基本的な概念などを把握しておかないと、おかしなことになることもあるため、幅広く調べることになる。
 もちろん、専門家の意見を聞くことが必要なことも多いが、専門家に的確な質問をして意見を聞くためには、自分でも基本的なことは理解しておかなければならないし、最終的に訴訟になることを考えれば、裁判官に理解してもらうための証拠の目星をつけておく必要もあり、文献調査は必須となる。

 内容によっては、弁護士会の図書館や本屋で関係がありそうな本を見るだけで足りることもあるが、とりあえずいろいろな文献を見てみようと思うときは、国会図書館に行くことが多い。日本で出版された本、雑誌、新聞、博士論文などの多くが収蔵されているからだ。外部への借り出しはできないが、館内で閲覧ができ、一定の制限はあるものの、必要な部分は複写サービスを使ってコピーを取ることもできる。  

 そんな国立国会図書館のサイトでは、オンラインサービスを提供している。
NDL-OPAC(国立国会図書館蔵書検索・申込システム)」を使えば、事務所でも蔵書検索をすることができるため、国会図書館に行く前に借りる資料の目安をつけて、「マイリスト」に保管しておくことで、図書館に着いてすぐに貸出手続きをとることもでき、効率的である。
 また、「国立国会図書館サーチ」を使えば、国会図書館だけでなく、公立図書館での所蔵状況も確認できるため、借り出したい本を所蔵している近くの図書館を利用するといったことも可能だ。、

その他にも、国会の会議録や、古い資料をデジタル化したもの、もともとネット上で公開されている資料などは、オンラインで内容も確認できる(デジタル化されていても、国会図書館内でしか閲覧できないものもある)。
 
 また、「国会関連情報」には、国会図書館の刊行物(印刷物として国会議員に配布されている)のpdfが掲載されている。議員秘書をやっているときにも、国政の課題についての資料として、参考にしていたが、分かりやすくまとまっているものが多いので、一般の人も時間があるときには読んでみるとよいと思う。
 「忘れられる権利」の話とか、『レファレンス』No.770の集団的自衛権についての議論などは、ぜひ読んでみて欲しいところだ。
 






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